葬儀会社は亡くなる前に決めておいた方がよい、その理由とは
私が税理士事務所に勤めているとき、税務とは関係のないことも多く学び教えを頂きました。
そのうちの一つがタイトルの通り、『葬儀会社は亡くなる前に決めておいた方がよい』ということです。
私の父が病気をし、余命1ヶ月の宣告を受けた時にこのアドバイスを受けました。
そして実際このアドバイス通りにしてよかったと心から感じている為、皆さんにこのエピソードをご紹介したいと思います。
理由だけ知りたい!という方は、最後のまとめだけ読んで下さいね。
父の余命1ヶ月
病気の発見から手術まで
父は食道がんで、病気が発見された時にはステージⅣでした。
異変を感じ父は病院へ。そこで受けた診察では何もわからず、数週間後の検査の予約をして帰されました。しかしその後食事も摂れないほど体調が悪くなり救急へ。その時診てくれた医師が検査の日程などを融通してくれ、すぐにがんが見つかりました。
また、救急の医師が腕の良い外科の先生と仲が良かったようで、その外科の先生を担当にしてくれたのです。それは父にとっても家族にとっても励みになりました。
数か月後に行われた手術も難しいと言われていたが見事に成功。
その後は定期的に病院へ通い経過観察をすることとなりました。
手術後、約半年で転移
しかし、経過観察を始めて半年。
父が元気になる様子はなく、正直なところこのまま衰弱して数年もつかな。という状況でした。
次第に父は体が痛いと言い始めました。
転移したかも知れない。家族は新たな闘病生活に覚悟を決めました。
そして通院日。
胃カメラが苦手な父は全身麻酔を希望。診察後まだ眠っているとき。
母が診察室へ呼ばれました。
受けた診断は骨への転移、余命1ヶ月。
母は帰りの車で溢れる涙を「今日は花粉がひどくてねぇ。」と言ってごまかした。
勤めていた税理士へ父の病状を伝える
病気が見つかったとき
父の病気が見つかったとき、勤め先の税理士先生は非常に親身になってくれた。
先生自身の父親もがんで亡くなったという。当時の心境や大変だったことなどを話して下さいました。
そして父の入院日が決まった。家族で付き添える人がいなかった。
税理士先生へ相談してみたところ、快く休みをくれました。
タクシーで行くから大丈夫と言っていた父は、やはり心細かったのか思いのほか喜んでくれた。
ヘタクソな運転で病院まで連れていき、これまたヘタクソな駐車にこうするんだと教えてもらった。最後の思い出かも知れない。
余命1ヶ月を宣告されたとき
余命1ヶ月を宣告されたとき、税理士先生は月の半分以上の休みをくれました。
痛みの緩和を目的に別の病院を紹介された父は、通っていた病院から見放されたと思い落ち込んでいました。
父は自分で歩くこともままならず、夜のお手洗いにも付き添いが必要に。父は体格が良かった為、ほんの1~2週間の自宅での闘病生活はもう限界が来ていました。
なんとか父を励まし、新しい病院へ入院することとなった。
そしてそんな中、私が税理士先生から受けたアドバイスは「亡くなる前に葬儀会社を決めた方がよい」ということでした。
正直とても複雑な気持ちになりました。
余命1ヶ月、近いうちに亡くなるのはわかっている。
まだ頑張っている父がいるのに、葬式のことを考えなければいけないという事実。
それを他人から言われるということに心がざわついた。
葬儀会社を決める
葬儀会社見学へ
葬儀会社を決めるのに母に内緒で進めるわけにはいかない。
一人で決めきれなかった私は兄へ相談しました。
兄は、母も葬儀会社を探すつもりでいることを教えてくれた。
傷心している母の姿からは意外であった。
ただ、なかなか行動に移すまでにいかないということで、兄から改めて話をしてくれることになった。
その週の週末、母と兄で葬儀会社を数件回り、良さげな葬儀会社の会員サービスへ入会した。
事前に会員サービスへ入会することのメリットはいくつもありました。
以下は私の家族が入会した葬儀会社の特典です。
- 葬儀費用 10%割引
- 供花・供え物・貸衣装 5~20%割引
- 法要ギフト用・法要料理 5~10%割引
- 仏壇・墓石等 特別割引
入会金に1万円かかったものの、父の葬儀にはざっくり200万円ほどの費用がかかったので、少なくとも20万円は割引になっている計算です。
葬儀後も法要に利用したので、たった1万円で大きな効果がありました。
事前に入会して本当によかったと思います。
父、亡くなる
病院から母へ危篤だと連絡があったのは夜中の0時を過ぎたころ、強く雨が降る日でした。
慌てて病院へ向かったが、着いたときには亡くなっていた。
亡くなったことを葬儀会社へ知らせるとすぐに担当者が病院へ来てくれました。
荷物をまとめて葬儀会社の車で父を自宅へ連れ帰った。
自宅へ戻ったあとはそのまま今後の流れを担当者と打ち合わせすることに。
そのときに、病院でもらった死亡診断書を確認していると、書類に不備があることが判明した。
担当者が打ち合わせのあとその足で病院へ行くと言って下さった。
夜中、しかも土砂降りの雨の中病院へ行ってくれたことは非常に有難かった。
葬儀自体も問題なく執り行われ、葬儀会社のこだわりで、通夜振る舞いでは温かい食事を提供しました。
これが非常に評判がよかった。皆さんが楽しそうに談笑して食事をしてくれました。
父が亡くなったことは悲しかったが、父の旧友や親族が今まで聞いたことがない昔の話をしてくれ、嬉しく印象的でした。
正直葬儀は悲しいだけのものであると思っていたのですが、父の葬儀では悲しさとともに温かさも溢れていました。
まとめ:葬儀会社は亡くなる前に決めておいた方がよい、その理由とは
さて、父の病気の発見から葬儀までを書かせて頂きました。
葬儀会社は可能であれば事前に決めておいた方がよい。
- 亡くなったときに葬儀会社がすぐに駆けつけてくれる。
- 事前に葬儀会社を決めておくことで葬儀代が割引になることがある
①亡くなったときに葬儀会社がすぐに駆けつけてくれる。
私の父が亡くなったのは夜中の0時過ぎでした。
それでも事前に葬儀会社が決まっていたので、すぐに病院まで来てくれました。
葬儀会社の車でなければ父を連れて帰ることは難しかったです。
また、勤め先の税理士先生がアドバイスをくれた理由はここにありました。
以前、知り合いの家族が亡くなった際に葬儀会社を決めておらず、亡くなったときに葬儀会社に何件も電話したが他の契約者を優先する為に断られたというのです。
また、病院から葬儀会社を紹介されるケースもあるようですが、料金等の比較も出来ず割高になってしまう傾向があると言うことでした。
②事前に葬儀会社を決めておくことで葬儀代が割引になることがある
私の家族が入った葬儀会社の会員サービスは葬儀代や法要代が割引になりました。
葬儀はそれなりに費用がかかるので、事前に入会することで割引になるのでしたら入っておいた方がよいのは間違いありません。
参考までに、父の葬儀には200万円ほどかかり、そのうち10%割引になりました。
入会金は1万円でしたので、十分に価値はありました。
まとめ
近いうちに亡くなることがわかっていたとしても、事前に葬儀会社を決めることは抵抗があるかも知れません。
しかし、いざ亡くなってから葬儀会社を探すことは、亡くなった家族への負担増加にもなります。
私自身、父の葬儀までは親戚や父の知人への連絡、そして来訪応対など休んでいるひまがありませんでした。
事前に葬儀のイメージを膨らませられたこともあり、葬儀の方向性もある程度家族で決めておくことが出来ました。
勤め先の税理士先生に言われるまで考えもしなかった『事前に葬儀会社を決めておくこと』は、私にとって嫌がられても伝えたい重要なことになりました。